Devilの教え
「じゃあ何だよ?」

「そ、相談に乗って欲しいとか!」

「乗って『欲しい』なんて、完全に自己中心的な考えじゃねえかよ」

「むっ!?」

「寂しさとか退屈を紛らわせる『道具』として友達を作るから、その部分が他で埋まった時に『友達』ってのが邪魔になるんじゃねえか」

「他で埋まる?」

「恋人が出来りゃ、友達より優先すんだろ」

「そ、それは人によりけりでしょ!? 友達優先する人だっているじゃん」

「それは人によりけりなんじゃなくて、状況によりけりなんだよ」

「はい!?」

「どっちと遊ぶかって程度なら、そりゃ気分次第で恋人より友達と遊ぶだろ。でも緊迫した状況――例えば同時に事故に()ったって事にでもなりゃ、恋人の方に駆けつけるだろ」

「で、でも友達とばっかり遊ぶ人だっているじゃん」

「それは、恋人に対して気持ちがねえとかそういう類でまた別の次元だ」
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