Devilの教え
「『友達だと思ってたのに』ってやつだね」

「ああ。『友達』だからって何でもかんでも言わなきゃなんねえって決まりはない」

「……うん」

「あれはお前が『知りたかった』っつー野次馬根性を、相手がさも悪いような言い方してるだけの事で、これまた自己中心的な意見で、相手の思想総無視だ」

「た、確かにそういう野次馬な思いがあったのは認めるけど、でも内緒にされたって事を寂しいって思って……って、それが自己中って事か」

「そういう事だ。どうせ『道具』としてしか思ってねえんだから、騒ぎ立てんなって話だ」

「それって、スガ先輩とマサキさんの事も含まれる?」

「当然そうだろ。裏切っただ何だって次元じゃなく、『道具』として成立しなかったってだけの事だ」

「……それはそれで寂しいよね」

「お互い様だろ」

「だからアスマは友達がいらないの?」

「ああ。『友達』の『世界』ってのが気に入らねえ。どうせ『友達』って言葉だけの関係なのに、押し付けられるもんが重すぎる」
< 248 / 455 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop