Devilの教え
 ムキになるあたしの心臓は、破裂寸前ってくらいにドキドキしてて、アスマの言う言葉をきちんと聞ける状態じゃなかった。


 そんなあたしに、


「もう帰れ」

 笑ったままアスマは呟く。


「え?」

 突然のお別れ宣言に驚き真っ赤になってる顔を上げると、アスマは腕時計に目を向けて、


「もう終電終わってんぞ」

「ああっ」

 その言葉にあたしが出した大声は、工場地帯に響き渡った。


「何だよ、うるせえな」

「終電終わった!?」
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