Devilの教え
 (しばら)くすると、ひとり、またひとりとゾロゾロ集り始める地元の顔ぶれ。


 だけど今日は珍しくアサミ先輩の姿はなく、スガ先輩も姿を現さなかった。


 集まってくる人達と他愛もない話をして、ボードゲームなんかもして、普段と何ら変わりない時間が刻一刻と過ぎていく。


 彼氏と別れても変わらない。


 浮気現場を目撃しても変わらない。


 起こった出来事はただ時間の流れと共に「過去」になっていく。


 今のこの一瞬でさえ、次の瞬間には過去になってて、そう考えると時間の経過がやけに早く思えたりもする。


 この「時間」という(はかな)いものの中に「運命」ってものが組み込まれているんだろうか。


 なら時間と共に「運命」も、流れていってるんだろうか。


――だから「運命」って一体何なんだっつーの。
< 26 / 455 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop