Devilの教え
「やだ! 危ないじゃん!」

「誰もお前なんか襲わねえよ」

「アスマは!? アスマ今からどうやって約束の場所行くの!?」

「タクシー」

「一緒に乗せてって!」

「方向が全然違え」

「ええ!?」

「歩いて帰れよ」

「やだやだ! アスマお金貸して! お小遣い入ったら返すから!」

「はあ?」

「タクシー代貸して!」

「お前なあ」

「じゃないと一緒についてく!」

「…………」

 アスマのその綺麗な顔を見上げてお願いするあたしを、アスマは鬱陶しそうな目で見ると渋々って感じでポケットに手を入れる。
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