Devilの教え
「はい、お金。どうもありがとう」

「ああ」

 借りた分のお金を差し出したあたしの手から、受け取ろうとしたアスマの手が一瞬ピクンと動く。


 それを見逃さなかったあたしは、ここぞとばかりに口を開いた。


「それにしても、びっくりしたよね!?」

「…………」

「ごめんね! 何か急に!」

「…………」

「驚かすつもりはなかったんだけどね!?」

「…………」

「だから今日じゃなくても良かったんだけど、ほら、やっぱりお金借りたままっていうのもどうかと思うじゃん!?」

「…………」
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