Devilの教え
 だけどそんなものある訳ない。


 悪魔に人情なんてある訳なかった。


 こんな夜中に女子高生が、こんな暗い場所でひとりで座ってるのに、そんな事お構いなしでアスマは帰った。


「…………」

 顔が痛い。


 それでもアスマを恨みきれないのは、自業自得だって分かってるからで、そもそも勝手にアスマに期待した自分が悪いし、頼ろうとした事自体間違えてるんだと思う。


 アスマが前に言ったように、あたしに構ってくれるのは「巣穴」の人間だからなだけで、それ以上でも以下でもないから、構うにしても限度がある。


 調子に乗った事には違いない。


 アスマがいつも優しいから図に乗ったって事は認める。
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