Devilの教え
「世の中そんなに甘くねえぞ」

 自動販売機の灯りに照らされた端整(たんせい)な横顔も真剣だった。


「分かってる……もん」

「分かってねえ」

「分かってるもん……」

「分かってねえんだよ」

「分かってる! 家出してもどうにもならないくらい分かってるもん!」

「違えよ。んな事どうでもいい」

「……え?」

「俺が言いたいのはそれじゃねえ」

「じゃあ……何?」

「お前、何をどう思って俺のトコ来たのか知らねえけど、考えが甘えんだよ」

「…………」
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