Devilの教え
「あの時は、お前があんな状況だったから俺の話を聞けただけだ」

「あんな状況?」

「もしあんな事がなくて、スガにもマサキの女にも疑念を持ってなかったら、俺の話聞いても否定的だったって事だよ」

「そう……なの?」

「ああ」

「よく……分かんない」

「『友達』を疑ってる状態だったから、俺の言う事が『助け』になったって言ってんだよ。『友達』を信じてる状態だったら、俺の話に納得出来ねえ。つーか、したくねえって思うはずだ」

「……うん」

「結局、人の意見っつーのは、どんだけ個人的なものだとしても、聞く時の状況とか事情とか状態によって受け取り方が違ってくる」

「うん」

「だから、今のお前に何を言っても無駄だっつってんだよ」

「え?」
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