Devilの教え
「今のお前は俺の話聞く状態じゃねえだろ」

「何で?」

「親がムカつくだの、自分は間違ってねえだのって思ってる時に、俺が思ってる事言っても『そんな事ない』で終わる。なら最初から言わなくてもいいだろ」

「…………」

「俺の意見はお前に同調する意見じゃねえ。でも今お前が欲しいのは、『そうだ』っていう(なぐさ)め的な同意の意見だろ」

「……分からない」

「分からないんじゃなくて、分かりたくねえんだよ。お前は間違ってねえって言って欲しいなら、他探せ」

「…………」

「つー訳で寝る」

「え!?」

「おやすみ」

「や、やだやだやだ!」

 あたしの抵抗虚しく、アスマはベッドの下に置いてあった灰皿で煙草を消して、再び部屋を真っ暗にした。
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