Devilの教え
酔っ払い悪魔
「なあんでお前が」
アスマの第一声はそれだった。
訳の分からない感情に戸惑いながら、それでもすぐに気持ちを切り替えて、スガ先輩から地図を受け取り、アスマの地元へと向かった。
駅を降りた頃にはすっかり陽が暮れていて、スガ先輩の地図も分かり辛いから迷いながらそこに辿り着いた。
飲み屋さんが建ち並ぶ路地から少し離れた場所。
ポツンと佇む小さいお店の入口には、『吉四六』と書かれた看板がある。
その看板の横には、『準備中』の札。
それでも気にせずドアを開けると、カウンターの中にアスマよりちょっと年上っぽい男の人がいた。
「あの、アスマ……いますか?」
おどおどと声を掛けたあたしに、男の人は少しだけ微笑むと店の奥を顎で指す。