Devilの教え
「アスマ起きて!」

「…………」

「もう着いたよ!」

「…………」

「着いたんだってば!」

「…………」

「ねえ、アスマ!」

「…………」

「家に着いたよ!」

「……んっ」

「家」の一言でようやく声を出したアスマは、閉じていた瞼をスッと開くと、無言でポケットから財布を取り出す。


 これが今の今まで爆睡してた人の動きかってくらいに機敏に動いたアスマは、運転手さんにお金を払うと「下りろ」とあたしを急かした。
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