Devilの教え
体裁
本当にさっきまでのは何だったんだってくらいにシャンとしたアスマは、あたしを一瞥すると門へと歩き始める。
アスマの目が「帰れ」と言ってるのは分かった。
分かったけど、いくら今はシャンとしてるからってどこで倒れるか分からないから、心配でついて行く事にした。
……なんてのは口実で、まだアスマと一緒にいたかったんだと思う。
でもやっぱりこの時のあたしは、そんな「本心」にすら気付いてなかった。
門を潜り石畳から外れ砂利を歩くアスマの後ろをついて行くあたしに、アスマは気付いてる。
だけどアスマは何も言わない。
というよりは、むしろ何も言えないのかもしれない。