Devilの教え
「『永遠』もそうだろ。生きとし生けるものはいつか『絶対』に死ぬ。その時点で『永遠』なんてもんは存在しねえんだよ」

「…………」

「永遠であればいいって『願望』と、永遠って言葉を使う事でそうだっていう『まやかし』を生むだけだ。実際にはない」

「…………」

「だから、比喩(ひゆ)に使われんだろ? 嫌な事があった時、『永遠に終わりそうにない』ってのは、マジの意味じゃなくて、それくらい嫌な事だって表現してんだろ」

「…………」

「ないって分かってっから余計に求めんだよ。手に入らねえものほど手に入れたくて、『錯覚』したくなんだよ」

「………やだ」

「だから、やだもクソも――って、何で泣いてんだよ……」

 心底呆れたって声出したアスマが寝転ぶベッドの、脇に座ってるあたしの目からはポロポロ涙が零れてて、


「だって、あたし、……ッ」

 グズグズと(はな)(すす)りながらようやく分かった気がした。
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