Devilの教え
 (あらが)う事なく身を寄せて、微かに唇を開いた。


 ゾクリ――とした。


 お腹の底から湧き上がる感覚は、ドキッを通り越してゾクリとした。


 アスマの舌先がゆっくりと、隅々まで味わうって感じに、あたしの口内を徘徊する。


 わざとだって思えるくらい音を立てながらされる行為に、緊張と恥ずかしさと嬉しさが入り混じり――。


 それでもあたしは気付いていた。


 キスをされながら分かってた。



――これがアスマとの最後だと。




第七話 了
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