Devilの教え

自棄


「最近、合コンばっか行ってるんだって?」

 ざわざわとした部屋の中。


 みんなの声に混じって聞こえたアサミ先輩の声に視線を向けた。


「ばっかって訳でもないんですけど、結構行ってるかな?」

「スズが合コンばっかで遊びに来ないってアイツ寂しがってるよ」

 アサミ先輩の言う「アイツ」は、マサキさんじゃなくスガ先輩。


 そんな事今までだって当たり前にあったのに、アサミ先輩がスガ先輩を「アイツ」と呼ぶ事が何だかしっくりこなかった。


 アスマと会わないようになって、またあたしは「巣穴」に戻った。


 行き辛いとか顔を合わせ辛いとか、正直そんな事もうどうでも良かった。


 新しい問題が勃発すると古い問題がどうでもよく思えるのは、きっとあたしだけじゃないと思う。
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