Devilの教え
 今のあたしにはアスマに会えなくなった寂しさをどう紛らわせるかが大切で、日々どうやってアスマを忘れるかを悩んでる。


 その悩みのお陰でアサミ先輩とスガ先輩の問題は、あたしの中ではどうでもいいって感じになった。


 ひとりになるとやたらとアスマの事を考えるから、あたしには「巣穴」が必要だった。


 そして、それと同様に「合コン」も必要だった。


 他の男で気持ちが紛れるなら、新しい彼氏が欲しい。


「合コン、楽しい?」

「んー、楽しいとかってあんまりないです」

「なら、何で行ってんの?」

「楽しいかもしれないから……ですかねえ?」

 あたしの答えに「訳分かんないわ」って苦笑したアサミ先輩は、床に置いてあった青い缶コーヒーを手に取り、ゴクンとひと口飲む。
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