Devilの教え
 何かを言ったり聞いたりはしてこない。


 だからかもしれない。


 誤解されたくないとか、勝手な想像されたくないとか、そういう色んな感情が入り混じって、気付けばベラベラ話してた。


 アスマが好きっていう事と、キスをした事。


 アスマと関係を持った事があるアサミ先輩にこんな事言っていのかって思いながらも開いた口は閉じられなくて、仕舞い込んでた思いが溢れ出た。


「だから本当は会いたいんです」

 最終的にそう言ったあたしに、アサミ先輩は「そっか」と言った。


 そしてそこからまたドアへと目を向け、少しの間黙り込んだ。


 言いたい事を言ったあたしは、さっきまでより幾分かすっきりしていて、アサミ先輩に話して良かったと――思った時。
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