Devilの教え

他の男


「ダメだ! ダメだ! ダメだ!」

「ちょ……ッ! 通して、スガ先輩!」

「許さん! 許さんぞ!」

「遅れるんですけどお!」


 土曜の午後。


 学校が終わって一旦「巣穴」に顔を出して時間を潰したあと、合コンに向かおうとしたあたしに、宿敵スガ先輩が立ちはだかった。


 ドアの前で仁王立ちのスガ先輩は、もう十分以上もそこから動かず、あたしを外に出してくれない。


「スガ先輩! あたし、約束の時間があるんですって!」

「ダメだ!」

「ちょっとどいて!」
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