Devilの教え
 あたしの喚きにようやく口を開き、ふうっと大きく息を吐いた。


「それ、貸せ……」

「ど、どれ?」

「手に持ってるやつだ」

「コ、コレ?」

 泣きじゃくりながらアスマの方に差し出したのは、スガ先輩から渡された中身が謎のビニール袋。


 それを見て「ああ」って答えたアスマの短い返事に、その場で腰を抜かしてたあたしは、ソロソロとベッドに近付いた。


「コ、コレ……何……?」

「栄養ドリンク剤」

「……へ?」

「熱出たからスガに買ってきてくれって頼んだんだよ」

 ハァハァ言いながらビニール袋に手を入れたアスマは、そこからドリンク剤を取り出してすぐに蓋を開けた。
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