Devilの教え
 やられた――と思った。


 スガ先輩は全部が全部分かってて、あたしを罠にハメたんだってようやく分かった。


 でも企んだのはきっとアサミ先輩。


 スガ先輩が自らあたしをアスマの所に行かせてくれる訳がない。


 アサミ先輩がスガ先輩を説得したに違いない。


 アサミ先輩は相談には乗ってくれないけど、協力はしてくれる。


 アスマに会うきっかけを、作ってくれた。


 グイッと一気にドリンク剤を飲み干したアスマは、そのまま瓶を床に転がしすぐに目を閉じた。


 相当辛いのか全身で呼吸してて、(かす)かに眉を顰めてる。


 何もする事がないあたしは、ベッドの脇に腰を下ろした。
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