Devilの教え
「特定の女は面倒臭えからな」


――脳が危険信号を出してる。


「ひとりの女に縛られなきゃなんねえ意味も分かんねえし」


――危ないって。この男は危ないって。


「遊びだったら飽きればすぐに手え切れば済むし、面倒臭え事言う女はさっさと捨てればいいだけだしな」


――なのに。


 心底そう思ってるのに。


「だからまあ、その彼氏にヤられた事はムカつくかもしれねえけど、俺に捕まる事に比べりゃまだマシだって思っとけよ」

 そう笑って、伸ばされた手が頭に触れた事を嫌だと思うどころか、触れられた所がジンッと熱く痺れるような感覚がした。
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