Devilの教え
 しかもお菓子作りは初挑戦なのに、言わせて貰えばプロ並の出来栄えだった。


――(およ)そこれが「運命その二」。


 だから余りの嬉しさに、休みの日にお昼近くまで寝てる彼氏には連絡しないで9時前に家を出てしまった。


――きっとこれが「運命その三」。


 こうして後から考えれば、あたしはこの時点で「運命」に翻弄《ほんろう》されてる。


 彼氏の家に着いたのは九時半過ぎ。


 おじさんもおばさんも、町内の行事だとかに朝から出掛けてて、チャイムを鳴らすと出てきたのは、同居してるおばあちゃん。


 ――だからこれは「運命その四」。


 でもこの時実は「最悪の状況」を回避する為の「運命」も用意されてた。
< 5 / 455 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop