Devilの教え
 そう言ったスガ先輩の声は、いつもとは違う真剣な声だった。


「でもあたし、本当に好きとかそういうんじゃなくて――」

「いや、目がそう言ってる」

「……目?」

「スズの目は完全に、アスマさんの毒牙に掛かった目えしてる」

「してない!」

 そう反論してももうダメだった。


 スガ先輩はまた床に寝転がって、いよいよ瞼を閉じた。


 どうしてもスガ先輩は、あたしをアスマに会わせるつもりはないらしい。


 そういうのじゃないって言ってるのに、分かってくれない。


 ただ会いたいって思う事の、何がどうしてダメなのか全く分からない。
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