Devilの教え
 むしろさっきまであたしが見てた修羅場のような光景なんてなかったかのような素振りで、


「何探してんだ?」

 その人間味を感じないほどの綺麗な顔を無造作に近付け、鞄の中を覗いてきた。


「何だよ、お前。汚ねえ鞄だな」

「う、うん……」

「教科書もノートも入ってねえじゃねえか」

「そ、それは学校に……」

「そんな事してっから頭悪いんだよ」

「う、うん……」

「学生は勉強しろ、勉強」

「そ、そだね……」

 余りにも普通の態度のアスマに気後れしていると、アスマは不審って感じの目を向けてくる。


 その上、
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