【おまけ追加】塩対応の汐宮先生は新人医局秘書にだけ甘くとける
新人医局秘書
「ちょっと集まってくれ」
医局長の声掛けに、数人いた医局員達が何事かと振り返った。
ここは誠仁館医科大学脳神経外科の医局だ。
私は今から新任のあいさつをする。
「今日からこの脳外科医局で秘書をしてくれる、伊原叶恋さんだ」
「伊原叶恋です。
秘書という仕事は初めてなので緊張しておりますが、1日も早くお役に立てるよう頑張ります。
よろしくお願いします!」
「へー、可愛いね。いくつなの?」
一番手前にいた30代半ばと見られる医局員が話しかけてきた。
「あ、えっと」
新人秘書ってからには大学を卒業したてくらいの年齢だと思われているんだろうな。
どうしよう。
「レデイに年齢を聞くのはどうかと思いますけど?」
私を庇うように言ってくれたのは、この脳外科医局を見渡す限り、唯一の女性だ。
「川崎菜々よ。
伊原さんと同じ医局秘書です。
よろしくね」
「伊原です!
あの……私は大学を卒業して3年間会社勤めをして、父の看病のため退職しました。
この夏、父がやっと職場復帰できたので、私も再就職することに……。
今年で26歳の新人ですが、どうぞよろしくお願いします!」
「えぇっ? そんなに年上なの!?」
「ははは……多分そうじゃないかと」
私は年齢より若く見られることが多いけど、川崎さんはどう見ても私よりかなり年下だと思う。
小柄で外ハネのボブカット。少し日焼けした健康的な肌に、黒目がちな目をパチパチさせている彼女はとてもあどけない。
「じゃあ伊原さんの自己紹介も済んだことだし、川崎さんあとは頼んだよ。
伊原さん、仕事内容は川崎さんに聞いて。
あ、そうそう、突然だが今日歓迎会をする!
当直や特別な用事がない限り必ず出るように。
オンコールのやつも食べにだけ来い。
お世話になる秘書さんだからなー。
みんな顔出すんだぞー。
川崎さん、ここに居ない奴らにはグループメッセージで伝えて」
「承知しました」
医局長はそう言い残して、忙しげに外来へと去っていった。
歓迎会かー。
わざわざ私のために、有難いなぁ。
医局長の声掛けに、数人いた医局員達が何事かと振り返った。
ここは誠仁館医科大学脳神経外科の医局だ。
私は今から新任のあいさつをする。
「今日からこの脳外科医局で秘書をしてくれる、伊原叶恋さんだ」
「伊原叶恋です。
秘書という仕事は初めてなので緊張しておりますが、1日も早くお役に立てるよう頑張ります。
よろしくお願いします!」
「へー、可愛いね。いくつなの?」
一番手前にいた30代半ばと見られる医局員が話しかけてきた。
「あ、えっと」
新人秘書ってからには大学を卒業したてくらいの年齢だと思われているんだろうな。
どうしよう。
「レデイに年齢を聞くのはどうかと思いますけど?」
私を庇うように言ってくれたのは、この脳外科医局を見渡す限り、唯一の女性だ。
「川崎菜々よ。
伊原さんと同じ医局秘書です。
よろしくね」
「伊原です!
あの……私は大学を卒業して3年間会社勤めをして、父の看病のため退職しました。
この夏、父がやっと職場復帰できたので、私も再就職することに……。
今年で26歳の新人ですが、どうぞよろしくお願いします!」
「えぇっ? そんなに年上なの!?」
「ははは……多分そうじゃないかと」
私は年齢より若く見られることが多いけど、川崎さんはどう見ても私よりかなり年下だと思う。
小柄で外ハネのボブカット。少し日焼けした健康的な肌に、黒目がちな目をパチパチさせている彼女はとてもあどけない。
「じゃあ伊原さんの自己紹介も済んだことだし、川崎さんあとは頼んだよ。
伊原さん、仕事内容は川崎さんに聞いて。
あ、そうそう、突然だが今日歓迎会をする!
当直や特別な用事がない限り必ず出るように。
オンコールのやつも食べにだけ来い。
お世話になる秘書さんだからなー。
みんな顔出すんだぞー。
川崎さん、ここに居ない奴らにはグループメッセージで伝えて」
「承知しました」
医局長はそう言い残して、忙しげに外来へと去っていった。
歓迎会かー。
わざわざ私のために、有難いなぁ。