青い月は、春を待つ。

そのあと、レモンサワーが運ばれてきて、わたしたちは「お疲れ様!」と乾杯をした。

それから、縁結びでイチオシの豚串や鶏串などを注文し、わたしはたちはレモンサワーと一緒に運ばれてきたお通しの枝豆をかじった。

「最近、見浦さんとはどう?上手く話せるようになってきた?」

わたしがそう訊くと、青倉くんは渋い顔をして「見浦さん、ちょっと苦手で、、、。」と言った。

「そっかぁ。悪い人じゃないんだけどね。コミュニケーションが苦手なとこあるし、いつも空回りしてるから何言ってるか分かんないよね。」

そう言い、わたしが笑うと、青倉くんは苦笑いを浮かべ、「そうなんですよねぇ。」と言った。

「春瀬課長は、何で課長を目指そうと思ったんですか?管理職で女性は春瀬課長だけですよね?」
「そうだねぇ〜、まぁ、仕事が好きだったのもあるし、自分をもっと成長させたかったんだよね。それで杉井課長に手伝ってもらって、試験受けて合格して課長昇進出来たんだけど、他の部長、課長たちには"女のくせに"とか"女に課長が務まるのか?"とか馬鹿にされまくった。それが悔しくて、必死に仕事してる感じかな。」

そう言って、レモンサワーを飲むと、青倉くんは「春瀬課長って、カッコいいですね。」と言い、続けて「俺、ずっと春瀬課長について行きます!」と言うと、レモンサワーを一気飲みした。

「あ!そんな一気飲みして大丈夫?!」
「大丈夫です!大将!レモンサワー、もう一杯お願いします!」

青倉くんがそう言うと、大将は「はいよ。」と返事したあと、注文していた豚串をカウンターに置いた。

「はい、2本サービス。姉ちゃん頑張れよ。」

わたしたちの話を聞いていたのか、大将の心遣いに感謝し、わたしたちは有り難く豚串をいただいた。

< 8 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop