ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
「すぐに中を見ることが可能だ」
「まぁ! あ、でも鍵は……」
「一応、領内の建物の鍵は持ってきているから安心して」
ギース様、仕事ができる……っ!
痩せ枯れている畑を過ぎ、緑の木立を抜けると、緩やかな丘が現れる。
遠目で見えていたのは、丘の上に建物があったからのようだ。
少しだけ丘を進むと、古ぼけてはいるが、なかなか瀟洒な建物が現れた。
これは、外にバラやツタなどを育てたらなかなか素敵なお屋敷風になりそうね。
「さぁ、私のかわいい奥さん。お手をどうぞ」
止まった馬車を先に降りたギース様が私に手を差し出す。
その姿を何度も見ていたのに、いつもと場所が違うからか、妙にドキドキしてしまった。
ゆっくりとその手に自分のそれを重ねる。
ギース様の優しい笑顔に、思わず──
「レダ!?」
飛びついてしまった。
突然だったせいか、ギース様はわずかに後ろに数歩ずれるけれど、さすがは武人。しっかりと受け止めてくれた。
抱きついた瞬間にうまく体をずらし、横抱きにしてくれる。
「ふふ。ギース様が格好良くて、つい抱きついちゃいました」
「嬉しいけど、危ないから今度は事前に言って欲しいな。でも──いつでも受け止めるよ」
そんなことを言って、頬にキスを落とすギース様は、最高に王子様に見えた。
「まぁ! あ、でも鍵は……」
「一応、領内の建物の鍵は持ってきているから安心して」
ギース様、仕事ができる……っ!
痩せ枯れている畑を過ぎ、緑の木立を抜けると、緩やかな丘が現れる。
遠目で見えていたのは、丘の上に建物があったからのようだ。
少しだけ丘を進むと、古ぼけてはいるが、なかなか瀟洒な建物が現れた。
これは、外にバラやツタなどを育てたらなかなか素敵なお屋敷風になりそうね。
「さぁ、私のかわいい奥さん。お手をどうぞ」
止まった馬車を先に降りたギース様が私に手を差し出す。
その姿を何度も見ていたのに、いつもと場所が違うからか、妙にドキドキしてしまった。
ゆっくりとその手に自分のそれを重ねる。
ギース様の優しい笑顔に、思わず──
「レダ!?」
飛びついてしまった。
突然だったせいか、ギース様はわずかに後ろに数歩ずれるけれど、さすがは武人。しっかりと受け止めてくれた。
抱きついた瞬間にうまく体をずらし、横抱きにしてくれる。
「ふふ。ギース様が格好良くて、つい抱きついちゃいました」
「嬉しいけど、危ないから今度は事前に言って欲しいな。でも──いつでも受け止めるよ」
そんなことを言って、頬にキスを落とすギース様は、最高に王子様に見えた。