ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

33:初夜の朝

 目が覚めたら、がっしりとした腕の中にいた。
 ギース様の腕、生身で見ると筋肉がすごい……。

 昨夜、私とギース様は、正真正銘の夫婦となった。
 最初はものすごく優しくて、気遣うように触れてたけれど、三回目くらいから、だんだんギース様が夢中になってしまい──まぁ、それはそれでとても良かったから……悪くないというか。

 コホン。

「レダ、どうした?」

 もぞり、と体を動かしたら声がかかる。
 その声がまた、色っぽくてドキドキしてしまう。

「そろそろ起きようかと思って」
「もう? まだ良いだろう?」

 言いながら、私の額に唇を落とす。甘い。甘すぎる。
 でも、私もそんなことを言いながら、この甘さに流されてしまっているのだ。

「今日くらいは、二人でのんびりさせて欲しいな」
「……明日からは、ちゃんとお仕事しましょう」
「もちろんだよ」

 甘い表情に、甘い声。
 甘いものづくしで、頭がクラクラしてきてしまう。

 ぼんやりとしていれば、彼の手が私の髪を撫で、頬をさすり、キスを落としてくる。
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