ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

34:ギース様のお友達

 初夜の日から数日後、ギース様の古い友人だという方と、ガラス工房があった場所で会うことになった。

「ニィスンデ伯爵家三男、トーオクと申します」
「お初にお目にかかります。フォルティア公爵の妻、レダと申します」
「トーオクは、俺の幼なじみなんだ」

「そうなのですね。お会いできて嬉しいですわ」
「どうぞ、トーオクとお呼び下さい」
「では私のことはレ」
「フォルティア夫人と呼ぶように」

 ギース様が私の言葉を遮ってそう言う。
 これは、名前を他の男性に呼ばせたくないということなの?
 嫉妬? 嫉妬すぎない?

 彼の言葉に、トーオク様が思わず、と言った具合に吹き出す。
 トーオク様は甘い感じの美形なので、吹き出した表情でもとてもイケメンだ。

 イケメンしかいないのかしら、この世界。
 金髪がさらりと揺れるのを見たら、ときめく女性は多いのではないかしらね。

「ギース、それは奥方の名前を僕に呼ばれたくないからか? それとも、目の前で自分の奥さんだとわかる呼び方をされたいからか?」
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