ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
「ルイジアーナ伯爵令嬢。どうか、婚約を受け入れて欲しい」
ひええ……! 耳元で聞こえる閣下の声は、思っていた以上に破壊力がある。
声までイケメンじゃないの。これは……これはダメだ。
「あの、と、とにかく一度体を元に」
「そう……ですね」
なんでそんな残念そうな声を出すのよ。
体を支えていた手が離れる。どうにかもう一度彼の前に立つと、改めて下から見上げられてしまう。
うう、そんなに真剣な瞳で見つめられると困る。
でも──ふと気付いてしまう。
ハティスと婚約を破棄した以上、私は次の婚約者を探さないといけない。
とは言え、すでに17歳の私と婚約できる年齢の貴族男性で、まっとうな人間がどのくらいいるのか。
この世界、割と若いときに婚約者作っちゃうんだよね。
それに、この後私は帰宅したら家族を締め上げる予定でもある。
だとしたら……もしかしてどこの誰ともわからない、当たりか外れかもわからない婚約者を探すより、少なくとも堅物で有名な公爵家に嫁ぐ方が良いのではないだろうか。
貧乏? まぁ、前世庶民だった身だ。
それも薄給ブラックの申し子とも言える氷河期世代の人間。多少のことは乗り越えられる。
例え公爵閣下が、何か思惑があって──そうじゃないと、どう考えてもおかしい──私に求婚したとしても、私は私で言い方が悪いけれど、彼を利用させて貰うのはアリなのかもしれない。
もちろん、きちんと愛情を持って接することができるように、努力はするけどね。
ひええ……! 耳元で聞こえる閣下の声は、思っていた以上に破壊力がある。
声までイケメンじゃないの。これは……これはダメだ。
「あの、と、とにかく一度体を元に」
「そう……ですね」
なんでそんな残念そうな声を出すのよ。
体を支えていた手が離れる。どうにかもう一度彼の前に立つと、改めて下から見上げられてしまう。
うう、そんなに真剣な瞳で見つめられると困る。
でも──ふと気付いてしまう。
ハティスと婚約を破棄した以上、私は次の婚約者を探さないといけない。
とは言え、すでに17歳の私と婚約できる年齢の貴族男性で、まっとうな人間がどのくらいいるのか。
この世界、割と若いときに婚約者作っちゃうんだよね。
それに、この後私は帰宅したら家族を締め上げる予定でもある。
だとしたら……もしかしてどこの誰ともわからない、当たりか外れかもわからない婚約者を探すより、少なくとも堅物で有名な公爵家に嫁ぐ方が良いのではないだろうか。
貧乏? まぁ、前世庶民だった身だ。
それも薄給ブラックの申し子とも言える氷河期世代の人間。多少のことは乗り越えられる。
例え公爵閣下が、何か思惑があって──そうじゃないと、どう考えてもおかしい──私に求婚したとしても、私は私で言い方が悪いけれど、彼を利用させて貰うのはアリなのかもしれない。
もちろん、きちんと愛情を持って接することができるように、努力はするけどね。