ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
 ギース様のイケメン顔にイケボで手を差し出されたら、もしもお茶にしようと思っていなくても、ふわーって手を乗せてしまうわ。
 まぁ私は、しっかりと自分の意志で乗せますけれど!

「今日は、領地で新しくできたフルーツティを用意させてる。たぶんレダが気に入ると思ってね」

 パチン、と音が出そうな勢いでウィンクをされた。
 私の顔が赤くなっている自覚がある。
 そういう不意打ちに弱いのだ。

「あの……、ギース様。そういうのは、あの……」
「うん。レダは不意打ちに弱いよね」
「!!!」

 しっかり、バレていた。
 そんな私を、ギース様は幸せそうな表情で見つめてくる。
 私も、なんだかそんな彼を見ているだけで、ほんわりとした気持ちになってしまうから。
 愛情って、人を幸せにさせるんだなって、改めて感じてしまった。
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