ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

40:アロマオイルのお尋ね者01

 大量にヌッカヌガーが入手できるようになった。
 それはとてもすごいことだ。

 何故なら、ヌッカヌガーは三ヶ月に一度、しかも真冬でも収穫ができるから。
 ただし、冬場は土の温度を高めに維持しないといけない。
 それができなかったために、冷害でやられてしまったのだ。

 今回は私が以前提案した、麻のカバーを木の根元に施したらしい。それなら安心だ。
 ヌッカヌガーが大量に採れるのであれば、その使い途も無限に広がる。

 先ずはベーシックにフルーツティ。これは領内の飲食店で必ず扱えるようにして、領地の名産品にしたい。
 それから、ヌッカヌガーを使ったスイーツ。これは、各お店でレシピを考えて貰う。
 もちろん、領民は格安で購入できるようにして、外だしは少し高めに値付けをする。

 それから──

「失礼いたします。奥様にお約束外のお客様でございます」

 侍女頭のスプリンが、声をかけてきた。

「私にお客様?」
「アポイントはないんだよね」
「左様にございます。その……、アロマオイルについてお話ししたいという女性でして」

「アロマオイル! 通して頂戴」
「まて! どんな女性なのか、素性なども確認して」
「でも、もういらしているんでしょう? だったら……、あぁギース様もご一緒なら良いかしら」

「……そうだな。それなら」
「それでは、客間にお通しいたします」
「うむ。俺たちもすぐに向かうから、このハーブティを用意してくれ」
「畏まりました」
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