ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

43:社食の美味、レストランの味

 ガラス工房の責任者をしているニィスンデ伯爵家三男トーオク様から、ギース様に連絡が入った。

「トーオクの所に……レダも……行く、か?」
「ギース様。何故疑問形なのでしょうか。そしてどういった要件で伺う予定ですか?」

 ギース様が少し拗ねたような顔をしている。
 うっ、かわいい……。

「ガラス工房に戻ってきた職人の件と、食堂の料理についてだそうだ」

 不承不承といった様子でそう口にするが、いやそれ、私行かないとダメなヤツじゃない?
 まぁ、職人についてはギース様案件にしちゃって良いかなって思うけど、料理に関しては、魚料理をメインにしてもらうから、私が行った方が絶対に良い。

「ふふっ。ギース様、一緒に行きましょう」

 笑えば、ギース様に抱きしめられる。

「ギース様?」
「レダの笑顔がかわいいから」
「私の笑顔がかわいく見えたなら、それは私がギース様を好きだからですわね」

 そう言って腕の中から見上げたら、キスされた。
 何故。

「すまん、かわいくて」

 顔を赤くするギース様の方がかわいいんですけど?
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