ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

44:ホテルの完成!

 良いことは一気に続くものだ。
 ギース様と結婚したばかりの頃に撒いた種は、遂に花が咲くときとなっている。

 え? なんのことかって?

 やりました!!
 ついに、ホテル完成です!
 やったーーー!

「これは何と言うか、本当に美しいわ」

 ホテルの門を入ると、然程長くはないアプローチ。
 その両側には、美しい花が咲き誇っていた。
 以前は壊れかけていた小さな噴水からは、水が溢れている。
 馬車はゆっくりと、馬車止めに回り込み止まった。

「さぁ、お手をどうぞ。俺のかわいい奥さま」

 だんだん、ギース様のこれにも慣れてきている。
 慣れって怖いわね……。

 彼の手をとり馬車を降りると、入り口にはスタッフが二人。
 支配人と、ドアスタッフだ。

 領主が相手と言うことで、全スタッフを用意したいと言われたけど、今日は普通の顧客相手を想定して貰いたいとお願いした。
 せめて支配人を、と言うことだったので、今後も高位貴族が相手の場合には支配人は登場するということで、話をつけた。

 あくまで、お忍び的に使ってもらうホテルにしたいので、高位貴族に関しても、少人数のスタッフで対応する仕様にしていきたいというのが、私の希望。
 その代わり、少数精鋭ですよ、という形ね。

「ホテルフォルティルアへようこそお越しくださいました」
< 146 / 161 >

この作品をシェア

pagetop