ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

47:エステに湧く領地

 疲れが溜まっていたのか、実は少々微熱が出た。
 このくらい平気よ! とブラック企業社畜よろしく外に出ようとしたら、その場でギース様に抱上げられて、GO TO BEDという展開。

 まぁよく考えたら、体調不良の人間が、医療の発達していない場所をふらふら出歩くことは、非常によろしくない行為だ。
 なんという恐ろしくも愚かなことをしてしまったのか。

 医療が発達していた日本ですら、それは忌避されるべき事だというのに……!
 くっ……不覚!

 そんなこんなで、体調不良も三日眠ってしっかり治った。
 そこからさらに四日、家から出して貰えず、今日ようやく外出を許可して貰えたのだ。

「……ね、ねぇ。この一週間で、なんだか領地が賑やかなんだけど」

 移動中の馬車で、私は向かいに座る侍女のオーテムに尋ねる。
 彼女は満面の笑みで、返してくれた。

「エステの効果です! スジューラク公爵夫人とモネイーヌ侯爵夫人が、ご一緒にお越しになって、大感激されまして。その話を聞いたスンデルネ侯爵夫人もすぐにお越しになり、そこからさらにラッキーヌ伯爵夫人やトリロコール伯爵夫人がご令嬢を連れていらっしゃり」

「な、なんてこと……! そんなハッピネスなことが起きてたのに、私ったら寝込んでいたの?!」
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