ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

5:さらばドアマットヒロインの亡霊よ 01

 我がルイジアーナ伯爵家は、建国以来とまではいかなくても、そこそこ古いお家柄だ。
 それこそ長さで言えばフォルティア公爵家よりも長い。

 ただ、長いだけで特別お金持ちでも貧乏でもなければ、何か偉業を為したわけでもないのだけれど。
 だからこそ、歴史は古いがいつまでも陞爵しないでいるのだろう。

 そんなルイジアーナ伯爵家のタウンハウスは、王都の割と良い場所に建っている。
 古い建物ではあるが、早いもの順で得た場所なのだろう。別に王城に急いで上がる必要もない役職にしかついていないのに、こんな登城に便利な場所に住んでいるのもおかしな話だと思う。

 門番が公爵家の家紋のついた馬車を認めると、大急ぎで近寄ってきた。
 窓をあけ、私が顔を出すと驚いた顔をする。そうして、どう反応して良いのかわからないようで、一瞬固まっていた。

 馬鹿ねぇ。相手が、散々馬鹿にしてきた私だったとしても、公爵家の馬車に乗っている時点で、令嬢として扱うべきだと判断しないと。
 こんな単純な判断ができない門番は、門番の役割を果たせないでしょうねぇ。

「早く門をあけなさい。そしてお父様と執事に連絡をいれて、公爵閣下を出迎えるよう伝えるの」
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