ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
「そもそも、私を忌み子と呼んでいる理由は、お母様が私を出産した時に亡くなったから、でしたわよね」
「そうだ。お前が生まれてこなければ、愛する妻は死ぬことはなかったんだ。お前のその髪の毛の色! 妻の亜麻色とそっくりだ。腹立たしい!」
「母上を奪ったのはレダ、お前なんだ」
この言い分に、ギース様は目を丸くしている。
わかる。わかるわよ。ありえないものねぇ。
でも、事前に驚くようなことがあっても、お願いするまでは口を挟まないで欲しいと伝えていたからか、黙って様子を見てくれている。
「はぁ。信じられないほど、頭が悪い発想ですよね、それ。もしも私が生まれたことが悪だと言うのであれば、その仕込みをしたお父様、あなたが諸悪の根源ですよね。出産が、いかに女性にとって命をかける大仕事であるのか、わかって仕込んでいるんですものね」
出産は、医学が発達しているあの時代の日本であっても、危険を伴う命がけのものだ。
もちろん、だからと言って、万一のことがあったときに仕込んだ夫が悪いだなんて、普通だったら考えない。
だが、私が生まれたことが悪だと言うのであれば、同じロジックで言い返してやるべきだと思うのだ。
「う……いや! 子を産むのは、女の仕事だろう」
「はぁ?! 自分の命をかけて、出産することをそんな風に言うだなんて、ナンセンスだわ。だったらあなた方男性は、命をかけて何をしてくれるのです」
「そうだ。お前が生まれてこなければ、愛する妻は死ぬことはなかったんだ。お前のその髪の毛の色! 妻の亜麻色とそっくりだ。腹立たしい!」
「母上を奪ったのはレダ、お前なんだ」
この言い分に、ギース様は目を丸くしている。
わかる。わかるわよ。ありえないものねぇ。
でも、事前に驚くようなことがあっても、お願いするまでは口を挟まないで欲しいと伝えていたからか、黙って様子を見てくれている。
「はぁ。信じられないほど、頭が悪い発想ですよね、それ。もしも私が生まれたことが悪だと言うのであれば、その仕込みをしたお父様、あなたが諸悪の根源ですよね。出産が、いかに女性にとって命をかける大仕事であるのか、わかって仕込んでいるんですものね」
出産は、医学が発達しているあの時代の日本であっても、危険を伴う命がけのものだ。
もちろん、だからと言って、万一のことがあったときに仕込んだ夫が悪いだなんて、普通だったら考えない。
だが、私が生まれたことが悪だと言うのであれば、同じロジックで言い返してやるべきだと思うのだ。
「う……いや! 子を産むのは、女の仕事だろう」
「はぁ?! 自分の命をかけて、出産することをそんな風に言うだなんて、ナンセンスだわ。だったらあなた方男性は、命をかけて何をしてくれるのです」