ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

6:さらばドアマットヒロインの亡霊よ 02

「お父様、お兄様。あなた方が行った行為は、貴族法に反することです」

 私の言葉に、二人は顔を青くする。あぁ、なんてつまらないのだ。
 まさかこの程度で、陥落するとは。今までの私は、レダは何だったのだろうか。
 こんな奴らにずっと虐げられていたのか。

 いや、そもそも自分より弱い存在を虐げて溜飲を下げていたような奴らだ。強い相手には尻尾をふるのに違和感はないか。

 この、吹けば飛ぶような矜持しか持ち合わせていない男どもに、レダはずっと苦しめられていたのかと思うと、苦しくて悔しくて、そして笑えてさえきてしまう。

「貴族法に反している貴兄らを、このまま貴族院に連行しても良いが……」

 ギース様の言葉に、二人の顔が更にこわばる。

「ひっ! そ、それはご勘弁を……。閣下、これはあくまで我が家の問題でもありますし」

 お父さまはこの期に及んでまだ、助かる方法があると思っているらしい。
 まぁ、貴族院に連れて行って、正式な法の下で裁くのも良いけれど、いつまでもこの人たちと関わり合っているのは嫌なのよね。

 さくっと縁を切りたい。
 ついでに言えば、縁を切ったあとに困らせてやりたい。
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