ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

8:さらばドアマットヒロインの亡霊よ 04

 さて、それでは総仕上げだ。

 まずはオルグナイト子爵家との婚約破棄と、その条件。
 つまりは慰謝料についての書類、それからコールレッド男爵家への慰謝料についての書類作成だ。

 これについては、私個人ではなく家同士の契約なので、家名があるうちに書類を作成したい。
 だが、慰謝料の支払先については、個人名を記載させていただく。
 それにお父様とお兄様が気付くかどうか……まぁ多分気付かないでしょうけれどね。

 家名と関わりがあるときの契約は、家名と無縁になっても継続する。それも貴族法に定められている。
 借金を負ったときに、逃げられないように定められたらしいけれど──今の私にとっては、ありがたい法だ。

「まて、どうしてそこでレダ・ルイジアーナに支払うとなっているんだ?」
「あらお兄様。私との婚約でしたでしょう? だからですよ。この書類を提出した後に、私はルイジアーナ家とは縁を切りますが」

 さて、この言葉をどう受け取るか。

「なるほど! で、あれば良いか。父上どうでしょう」
「そうだな。レダがこの家からいなくなるのであれば、受け取るのはルイジアーナ家だから……よし、これで構わない」

 見事なまでに引っかかってくれた。
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