ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
入口の前にぞろりと揃った使用人たちは、事前に私が来ることを伝えられていたのだろう。
私に対して何か驚くことはなかった。
いや、この抱かれっぷりには驚いたのかもしれない。
端にいるメイドは目を丸くしているじゃない。近くにいる執事や侍女頭は、さすがに表情を抑えている。
プロフェッショナルね。
「皆、事前にウォーリズから連絡が入っていると思うが、彼女が私の妻になるレダ・スジューラク公爵令嬢だ。今後我が家の女主人となるから、そのつもりで」
「……ギース様、私きちんと皆さんにご挨拶がしたいのですが」
「あなたを降ろしたくない」
「ギース様……。皆さんに失礼ですよ」
「……どうしてもダメだろうか」
「ダメです」
少々語気を荒げてみれば、しゅんとした表情をして私を丁寧に降ろしてくれた。
頭に犬の耳が見えそうだわ。そうね、大型犬かしら。あら、そう考えるとめちゃくちゃかわいいわね。
おっと、にやけそうになるわ。
「初めまして。レダ・スジューラクです。本日からお世話になりますわ。皆さんにはいろいろと教えていただくことも多いと思うけれど、どうぞよろしくね」
「奥様、ようこそフォルティア公爵家へ。執事のソワにございます。こちらは妻で侍女頭をしております、マティです」
「マティにございます。これから奥様に誠心誠意仕えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
二人とも、妙にキラキラした目で私を見ているけれど──一体何を期待されているのかしら。
私に対して何か驚くことはなかった。
いや、この抱かれっぷりには驚いたのかもしれない。
端にいるメイドは目を丸くしているじゃない。近くにいる執事や侍女頭は、さすがに表情を抑えている。
プロフェッショナルね。
「皆、事前にウォーリズから連絡が入っていると思うが、彼女が私の妻になるレダ・スジューラク公爵令嬢だ。今後我が家の女主人となるから、そのつもりで」
「……ギース様、私きちんと皆さんにご挨拶がしたいのですが」
「あなたを降ろしたくない」
「ギース様……。皆さんに失礼ですよ」
「……どうしてもダメだろうか」
「ダメです」
少々語気を荒げてみれば、しゅんとした表情をして私を丁寧に降ろしてくれた。
頭に犬の耳が見えそうだわ。そうね、大型犬かしら。あら、そう考えるとめちゃくちゃかわいいわね。
おっと、にやけそうになるわ。
「初めまして。レダ・スジューラクです。本日からお世話になりますわ。皆さんにはいろいろと教えていただくことも多いと思うけれど、どうぞよろしくね」
「奥様、ようこそフォルティア公爵家へ。執事のソワにございます。こちらは妻で侍女頭をしております、マティです」
「マティにございます。これから奥様に誠心誠意仕えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします」
二人とも、妙にキラキラした目で私を見ているけれど──一体何を期待されているのかしら。