ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

13:貧乏公爵領を知る

「なるほどなるほど」

 公爵領の状況を勉強していると、どうして今貧乏なのかが良くわかった。

 一つ、公爵領は思っていたよりも広い。
 一つ、一昨年の異常気象とそれに伴う災害とは、冷害と大雨による崖崩れだった。
 一つ、税金は多少免除されているとはいえ、元の公爵領分に近い金額を支払わないといけない。

「結構大変な状況だわ。前公爵ご夫婦は、この崖崩れで亡くなったのよね」
「はい。冷害と大雨の被害を見に視察に行った際に」

 私は今日何度目かの「なるほど」を繰り返す。

 この領地の特産物を全て確認し、それがどう活用されているのかをチェックする。
 ギース様は一足先に領地に向かっているので、私も明後日には領地に向かう。

 一緒に行けば、と思ったけれど、私の体力が持たない可能性があるからと言って、一週間食事をしっかりとって体力を復活させたのだ。

 公爵邸の馬車は今は一台しか稼働させられないので──メンテナンスもそれなりにお金がかかるからね──ギース様を送った馬車が戻ってきたら、それに乗っていくことになる。

 前世の記憶が、何かしら役に立てば良いけれど、別段物事に詳しいわけではないので、どうだろうか。
 ただ、前世のなんということではない情報も、この世界ではまだ発見されていなかったり、気付かれていない情報である可能性はある。
 そうだとしたら、ラッキーだろう。
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