ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
「海辺にうち捨ててある貝殻。これも理想的ね」
「理想的?」
「ええ。シュクリム、あの貝殻を袋一杯に拾って貰って良いかしら?」
「かしこまりました」
これでこの後農地の見学に行ったときにも、肥料の話をしやすい。
ベタベタのベタだけれど、土地の改良はやはり必要だからね。
元々は温暖な気候のこの土地だ。冷害の被害のあと、しばらく涼しい気候が続いてしまったのは、不幸だった。
とはいえ、いままでのような気候がまた戻るかもという希望もあるから、育てる作物の種類を、一気に変えることもできない。
それが、この土地のジレンマだった。
「大雨で酸性が強い土壌になったのも、理由の一つだろうなぁ」
「大雨になると、何か変化が起こるのか? この領地は今まで、大雨になったことがなかったんだ。だから、あまり領民にも我々にも知識がない」
私が学園で学んだ限り、この国自体あまり大雨の被害にあったことがない。
だからこそ、その被害の影響がこんなに続くとも思っていない国が、税率の軽減をあまりしていないのだろう。
とにかく情報がないのだ。 私もそんなに詳しいわけではない。
でも、前世では災害大国日本で生きてきたのだ。テレビやニュースで得た情報くらいはもっている。
別の世界なので、どこまで役に立つかはわからないが、試してみることに無駄はないだろう。
「オッケーです、ギース様。今度は村の方に……ってちょっと!」
ギース様が私の頬に、自分の頬を寄せてくる。一体何?!
きれいな顔がくっつくだなんて、いくらなんでもやり過ぎですよ。あの……あの本当に……私もうダメかも。
「旦那様!」
「なんだ、シュクリム。今レダを堪能して」
「その奥様が、気を失っています」
「えっ」
頭に血が上りすぎた私は、遠ざかる意識の中、二人の声を遠くに聞いていたのだった。
「理想的?」
「ええ。シュクリム、あの貝殻を袋一杯に拾って貰って良いかしら?」
「かしこまりました」
これでこの後農地の見学に行ったときにも、肥料の話をしやすい。
ベタベタのベタだけれど、土地の改良はやはり必要だからね。
元々は温暖な気候のこの土地だ。冷害の被害のあと、しばらく涼しい気候が続いてしまったのは、不幸だった。
とはいえ、いままでのような気候がまた戻るかもという希望もあるから、育てる作物の種類を、一気に変えることもできない。
それが、この土地のジレンマだった。
「大雨で酸性が強い土壌になったのも、理由の一つだろうなぁ」
「大雨になると、何か変化が起こるのか? この領地は今まで、大雨になったことがなかったんだ。だから、あまり領民にも我々にも知識がない」
私が学園で学んだ限り、この国自体あまり大雨の被害にあったことがない。
だからこそ、その被害の影響がこんなに続くとも思っていない国が、税率の軽減をあまりしていないのだろう。
とにかく情報がないのだ。 私もそんなに詳しいわけではない。
でも、前世では災害大国日本で生きてきたのだ。テレビやニュースで得た情報くらいはもっている。
別の世界なので、どこまで役に立つかはわからないが、試してみることに無駄はないだろう。
「オッケーです、ギース様。今度は村の方に……ってちょっと!」
ギース様が私の頬に、自分の頬を寄せてくる。一体何?!
きれいな顔がくっつくだなんて、いくらなんでもやり過ぎですよ。あの……あの本当に……私もうダメかも。
「旦那様!」
「なんだ、シュクリム。今レダを堪能して」
「その奥様が、気を失っています」
「えっ」
頭に血が上りすぎた私は、遠ざかる意識の中、二人の声を遠くに聞いていたのだった。