ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
 ……なーんて最初はちょっと思ったけどね。

 もう、ずっとこう、これは多分溺愛ってやつよね。出来合いじゃないわよ。お惣菜じゃない。
 溺愛、ね。デキアイ。

 溺愛が突然消える可能性もあるけれど、それでも粗末には扱われないとは思う。
 溺愛が消えて、もし別のお嬢さんを嫁に迎えたいと言われても、まぁ第二夫人か、場合によっては使用人として生活させて貰えば良いかな、なんて思っている。

「レダ? 何を考えてる?」
「ギース様のことよ」

 正確には、ギース様との今後の事だけど。
 でも、私のその言葉に、あからさまに嬉しそうに顔を明るくさせるんだから、かわいいじゃないの。

 がっちりした体でイケメンでかわいいとか……それはもうご馳走様、って感じです。ありがたや。

「さて、お待たせしちゃいましたね。私どのくらい意識飛ばしてました?」
三の分刻(みのふんとき)くらいだな」

 三の分刻(みのふんとき)とは30分くらいのこと。説明めんどうなので、とりあえず30分ってことで。

「結構皆さんをお待たせしちゃいましたね。ごめんなさい」
「レダが無事なら良い。どうする? 今日は視察はやめておくか?」
「まさか! 次の村に行きましょう!」
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