ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~
*
次の村は農村だった。
見るからに土が荒れている。近くにいる農民達が、私たちに近付いてきた。
「領主様……あと」
「ああ、私の妻だ。正式なお披露目は、もう少し領内が落ち着いてからと考えているが、皆には近々通達しようと思う」
「奥方様! おお、領主様おめでとうございます」
「ありがとう」
ギース様が私を下に降ろしてくれる。改めて、私は農民達に挨拶をする。
「初めまして。ギース様の妻となります、レダと申します。皆さん、一緒に公爵領を盛り立てましょうね」
「! 奥方様……なんてすばらしい……領主様、なんと良い方が来てくださったことか」
「そうだろう? 私の自慢の妻だ」
優しい瞳で私を見るギース様。そんな私達を、農民達も優しい瞳で見る。
そう、いつもの……あの瞳よ。もう慣れてきたわ。
「今、土の肥料は何を混ぜているのかしら」
「動物や人間の屎尿類を堆肥にしてます」
糞などはそのまま土に混ぜても堆肥にはならない。
きちんと発酵させ、それなりに処置をする必要があるのだ。
「なるほど。では、その堆肥と共に、今度この貝殻を砕いたものを一緒に混ぜてみてください。これは、有機石灰といって酸性の土をアルカリ性に──えぇと簡単に言うと、大雨の影響で今までの土と性質が変わってしまったものを、元に戻す力をくれるのです」
次の村は農村だった。
見るからに土が荒れている。近くにいる農民達が、私たちに近付いてきた。
「領主様……あと」
「ああ、私の妻だ。正式なお披露目は、もう少し領内が落ち着いてからと考えているが、皆には近々通達しようと思う」
「奥方様! おお、領主様おめでとうございます」
「ありがとう」
ギース様が私を下に降ろしてくれる。改めて、私は農民達に挨拶をする。
「初めまして。ギース様の妻となります、レダと申します。皆さん、一緒に公爵領を盛り立てましょうね」
「! 奥方様……なんてすばらしい……領主様、なんと良い方が来てくださったことか」
「そうだろう? 私の自慢の妻だ」
優しい瞳で私を見るギース様。そんな私達を、農民達も優しい瞳で見る。
そう、いつもの……あの瞳よ。もう慣れてきたわ。
「今、土の肥料は何を混ぜているのかしら」
「動物や人間の屎尿類を堆肥にしてます」
糞などはそのまま土に混ぜても堆肥にはならない。
きちんと発酵させ、それなりに処置をする必要があるのだ。
「なるほど。では、その堆肥と共に、今度この貝殻を砕いたものを一緒に混ぜてみてください。これは、有機石灰といって酸性の土をアルカリ性に──えぇと簡単に言うと、大雨の影響で今までの土と性質が変わってしまったものを、元に戻す力をくれるのです」