ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

17:公爵領の名産を作ろう

 あの後、他の農地もいくつか回り、皆さんの農地に合う方法を一緒に話し合ったりして、その度にギース様やら農家の皆さんに感動されて大変だった。

 とりあえず結果がでないことには、褒められても落ち着かないので──失敗したら目も当てられないじゃない?──褒めるのは後にして欲しい、と毎度言ってしまった。

「何か転換となる可能性が見えるだけで、私達には十分、光に感じるのだよ」

 なんてギース様は言い出すし、皆さんも同意するし。
 ブラック企業では考えられない好待遇じゃないの。

 数字を出さなかったら怒鳴られるし、数字を出しても怒鳴られたあの頃を思い出すと、遠い目になる。

「レダ? 今良いか?」

 そんなことをぼんやりと思っていたら、ノックと共にギース様の声が。
 今私は、公爵邸でお風呂上がりのまったりタイムを過ごしている。
 お風呂も、侍女さん達が入れてくれて、なんとマッサージまでしてくれるのよ。

 アロマオイルなんてもったいないから、って言ったら「領内で作ってるから大丈夫ですよ」って言ってくれて……。
 貧乏公爵領だと言うのに良いのかしら。

 ……ん?
 あれ、もしかして。
< 71 / 161 >

この作品をシェア

pagetop