ドアマットヒロインは、 速攻終了いたします!~堅物のはずがワンコの公爵様に溺愛されてます~

20:大蔵卿との面談

「うん、なるほどね。わかった。では、フォルティア公爵領の税はこの先三年の間、元の税の半分としよう」
「よ、良いのですか」

「ああ。こうしてきちんとした資料を出してくれた上で、領主からの申し出があったんだ。大蔵省としては、精査した結果それを受け入れる方針を決断するのに、なんら問題もない」

 思いのほかあっさりと受け入れられたことに、ギース様が驚いている。
 でもね。
 これで満足しちゃだめなのよ、ギース様。

「恐れながら閣下、発言をお許し頂けますでしょうか」
「レダ・スジューラク嬢、発言を許します」

 今は正式な場だ。こうしたやり取りの一つ一つも重要になる。
 特にギース様のように、大蔵卿や法務卿と旧知であるわけではない私は、きちんと礼に則っているということも、このあとのやり取りを成功させるには、大切だ。

「フォルティア公爵領の税について、災害にあってから先月末までの分についても、還付をお願いしたく申し上げます」
「……へぇ?」

 大蔵卿の瞳がすぅ、と細くなる。話を見極めようとしているのだろう。
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