本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
直ぐに控室へと向かう。

「お疲れ」

「へ!? 来てたの!?」

ガタンと椅子から立ち上がって俺の前まで寄ってきた。

可愛い。
綺麗。

「打ち合わせ早く終わったから」

俺は肩にかかったポニーテールの髪をスッと後ろに回す。

すげぇサラサラしてる。

「全然気づかなかったよ」

「一番後ろにいたしな」

「ははは。ちゃんと歌えてた?」

「歌えてた。すげー良かった」

本当に。
痺れるくらい。
目が離せなかった。

「そ、それなら良かった」

「顔、赤いよ」

そっと頬に触れる。

やべぇ。
この気持ちに気づいたら…

「あ、暑いからっ」

「そ? 帰り送ってくよ」

「いいの? ありがとう」

「少しフロア寄る?」

「ううん。気まずいから私顔出した事ないの」

「それわかる。落ち着かないよな。着替える?」
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