本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する

絶望と希望

車に乗って亜里沙の家まで向かうと、周りが騒がしい。

「なんだ？　なんかこの先通れないみたいだぞ？」

「え！？」

すると後ろから消防車が数台やってきて、俺は車を端に寄せると通り過ぎた消防車は左折した。

そっちの方角の空を見れば煙が上がっているではないか。

「火事か？」

「ちょ、嘘！　私んちの方角だ！」

「え！？　行ってみよう」

回り道をして通れそうな所から近づくも、やはり通行止めになってしまって進む事が出来ない。

「ちょ、ごめん、ここで下りるね！」

亜里沙は直ぐにそう言って下りてしまう。

「は！？　ちょ、危ないって！」

車をまた寄せて、ハザードを付けて俺も亜里沙を追いかけた。

すると先の方で、木造二階建てのだいぶ年期の入ったアパートから火が出ている。

そこに亜里沙は迷わず走っていく。

「私の家っ！　私のっ！」

「ちょ、危ないですから下がってください！」

消防士によって亜里沙が押さえられるも亜里沙は部屋に行こうとジタバタする。