本当の愛を知った御曹司ギタリストは歌姫を溺愛する
「ははは。バレてましたか。そうですねぇ、確かにこの内容はリークされたものだ。写真も。でもこちらも仕事ですからねぇ。守秘義務がある」

言わないつもりなのか。
俺はさっき山ちゃんから渡された紙を見る。

「青田昌俊(あおたまさとし)さん。へぇ、アメリカの大学出てるんですか。高学歴じゃないですか。あらら…でも逮捕歴があるんですね」

ギクっと肩をすぼめる青田。

「うわ。やっちまってますね。強制わいせつ罪? 窃盗? 他にも余罪ばっかだ。あららら。何、服役して出てきたばっかりじゃないですか」

「んなっ!?」

「あんた正直にリークした奴の名前言った方が、今後この業界でやっていくなら身のためですよ。これ、どうせ独断でしょう?」

「俺を脅すのか!?」

「いや? まずコーヒーでもどうぞ?」 

青田は山ちゃんが出したコーヒーに手を伸ばす。
カタカタとソーサーが音を立てる。

「俺は…俺は頼まれて書いただけだ」

「ふうん」

しばし無言の時間が続く。

「な、なんで俺の本名だのなんだの知ってるんだ?」
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